一人の理容師の人生を語った「自分史」です。「ヘアーサロン加納」

優兄の店と小学校入学

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優兄の店と小学校入学

 私が、美幌の祖父の家から、室蘭へと引き返された満7歳だった頃、私の家には、信兄(母の姉の長男)が一緒に住んでおり、回覧社という処に努めて居ました。その信兄は、なかなかのハンサムな男で頭も切れる人でした。

 信兄の知恵もあり、父と信兄は相談をして、帯広の宮本理髪店で就業している優兄を、室蘭に呼び返し、お店を出させる計画を立てていました。

 優兄は、もう帯広では七年も修業して居ましたので一人前だから、きっと師匠も許してくれるだろうと、優兄には内緒で、父と信兄は勝手に、本町二番地にあった理髪店を買い求め、改装までしてしまいました。

 当時としてはモダンな造りにして、まだ幼い私にも見せ、「如何なものだろう」と意見を求められました。

優兄のお店

 その後、直ぐに優兄が室蘭に、お店で使う道具等を買いに来た時を狙って、否応なしに店を営業させてしまいました。

 なんとも強引な二人でしたが、師匠の許可も取っておりましたし、優兄の性格上、少々強引な方が合っていたのかもしれません。

 更に、一人で営業するのは大変だということで、店の近くに住んでいた白井さんの長女が床屋の修行期が明けて家にいる事を聞きつけ、その娘と一緒に開業させてしました。

 数年後、結局、優兄はその娘と結婚をさせられることになり、隣の大家さんの仲人で挙式を挙げたのですが、その時私が雄蝶・雌蝶(今でいえば小さい子がやる花束贈呈の儀式みたいなものです。)の、雄蝶をさせられ花婿と花嫁の前で盃のお酒を差し出したような記憶があります。

 此れも又、優兄夫婦との縁が深まった要因かなとも思われますが、その時は、私が床屋になることなど夢にも想像していませんでした。

 その頃は、まだ世の中は幾らか平和で、良く母と映画「愛染かつら・湯島の白梅緯」を見に行きましたし又、温泉(登別や北湯沢)にも度々出かけました。

 この北湯沢には胆振線を走っていたダルマストーブの着いた汽車で行ったものですが、此処に行く際に苦い思い出があります。

 それは母が、弁慶温泉に湯治に行っていた所に父と私と龍人兄の三人で出掛けたのですが、降りる駅を間違えて盤慶温泉駅で下車してしまい、幾ら歩いても母の泊まっている旅館が見つからなく、そのうちにだんだんあたりが暗くなってくるし、お腹は減るしで、とうとう足も疲れて歩けなくなって来ていたところ、偶然、川のそばにあった旅館に何とか頼み込みんで泊めてもらうことにしました。

 そこで空いていた部屋が布団を置く布団部屋しか無く、狭いし電気も付いていない部屋で、ランプで明かりをとっていました。お風呂に行くのもランプを待参して入らなければいけない処でした。次の日は、何とか母とも合流し一緒に帰ってこれたので、やれやれと安心できましたが、私達は湯治どころではなく疲れに行っただけでした。

 この年に一番下の弟、「邦光」が誕生致しました。私も、数えで八歳となり、優兄夫婦の家の近くにあった「武陽小学校」に入学することになりました。

 最初の担任の先生は、女の先生でした。余り融通の効かないどららかというと偏屈とも言える先生でした。我々男の子に、舐められてはいけないと言う気持ちがそうさせたのかも知れません。

 私はどちらかというと身体も弱く、勉強もそんなに優れて出来た方では無かったので、余り好かれなかったのかも知れませんね…。

 その時代の成績の評価は、「秀・優・良上・良・可・不可」に分かれていて、秀と不可で判断される人は殆どいなく、優が最高で可を取る人は最低と言った具合で評価されていました。私は、圧倒的に「良上」が多く体育だけは「良」でした。

 三年生迄は、その先生が担任でしたが、たしか三年生の夏休みだったと思います、宿題で私の家から見える追直し海岸の端にある小高い丘と海を丁寧に写生し(約一週間位かかった)、自分ながらに良い出来だと自慢げに提出したのですが「この絵は、誰かに手伝って貰いましたね。」と言われました。

 私は「いいえ、自分一人で書いたので誰にも手伝ってもらってはいません。」と抗議したのですが「こんなに上手に書ける道理は絶対に有り得ません。」と軽く弾かれ教室にも展示されませんでした。

 それから私は、絵を描く事が嫌いになってしまいまいしたが、もしその時に褒められていれば、かなり絵は上手に描ける様になっていたと自負しています。

 やがて四年生になる頃には、戦争が段々と厳しくなり男が殆ど兵隊に取られた為、男の先生が不足いたしましたので、室蘭中学校から来た代用教員で、一家という先生が、我々の四組の担当と成りました。

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